sekibang 3.0

文化的消費活動の日記

ウェルギリウス 『牧歌/農耕詩』

 

先日甚野尚志 『中世ヨーロッパの社会観』 - sekibang 3.0を読んだ際にウェルギリウスの「農耕詩」の記述が中世に至るまである種のHowTo農業本であったみたいなことが書いてあり興味を持って読んでみた。「牧歌」と「農耕詩」、いずれも紀元前40年代以降に書かれた西洋の古典中の古典、みたいな詩である。西洋の韻律に関する基本的な知識がわかっていないのだが原文はヘクサメトロスという形式で書かれているのだが、この形式を日本語に持ってくることは不可能なので邦訳は一体なにが書いてあるのか確認する意味でしか使えないのだが、まぁそれでも面白い。とくに「農耕詩」は農学書的な読まれ方をしていただけあって、紀元前のこの時代にかなりのことが「わかっている」というか「知っていた」こと、とくに第2歌の土壌に関する記述には感心させられた。ウェルギリウス自身はまったく農業経験なく、人間的にもかなり「陰キャ」であったらしいのだが。